上:Eckmiller W88 オリジナルカタログ
W85などと並び、天才エンジニア “エックミラー” 氏の才能を、強烈に感じる代表的フェーダーの一台。この強く濃厚なサウンドは、他に代え難いものがあります。
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上:Eckmiller W88 オリジナルカタログ
W85などと並び、天才エンジニア “エックミラー” 氏の才能を、強烈に感じる代表的フェーダーの一台。この強く濃厚なサウンドは、他に代え難いものがあります。
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1960年代ノイマンの2芯シールドケーブル。2芯の太い撚り線にシールド処理されたライトグレーのビンテージケーブル。当時、ノイマンのスタジオ用機器接続やマイク、ライン等で使われてものらしいですが詳細は不明です。音は力強く情報量も多い印象。ベルリンのスタジオから出たものなので、ゲッフェル製かもしれません。
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1950年代クラング・フィルムのシールド・ケーブル。ブラックエナメル単線にコットン+シルク+ワックス、芯線を保護する2重のメッシュ、全体のシールド処理と非常に凝った構造です。
WEのケーブルを含め、いわゆる「ビンテージ・ケーブル」はレンジも狭くハイが出にくい物が多い反面、現代のケーブルでは得難い豊かな中低域を得られることがあります。ときに、少し気味悪いほど生々しい歌声で歌い出す、不思議なポテンシャルを秘めています。
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1970~80年代ノイマン・ゲッフェルの真空管マイクロフォン用7芯シールド・ケーブル。ジャーマンビンテージスタジオ機器の世界では有名なライトグレーのケーブル。外径約5mmでとてもしなやか。ヴォーカルは生々しく、ピアノソロやオペラも聞ける、非常に美しい音です!
ノイマン・ゲッフェルは戦後、旧東ドイツに残されたノイマンの工場から立ち上がった業務用マイクロフォンの企業。その後社名はRFTへ、そして現在の Microtech Gefell へと変更されています。資本主義化で失われて行ったKlangfilmなどの高い音響技術が、旧東機器の一部には残っているとも言われています。
上:W68 mono
上:W68 ST (STEREO)
上:Eckmiller W68 オリジナルカタログ
おそらくeckmiller最初のカーボン皮膜抵抗タイプ・フェーダー。「安定した性能と音質」を両方求めるならW68かMR90でしょうか。W68STはバランス型2チャンネルパッシブ・フェーダー。カーボン皮膜抵抗が左右2枚づつ入っています。MR90の原型でしょう? 内部構造はMR90に似ていますが音質はこちらの方がより濃厚です。この頃のフロントパネルやフェーダーノブは金属製です。
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EABのアンバランス型モノラル・フェーダー。WVE-10はダナーカセットサイズではなく4Uサイズ。端子はT2701より更にレアなTuchel 13 pinが必要。EABの中でも最もシャープな音質の1台。アンバランス接続環境ではこちらの方がいいと思います。3.5K, 5Kと抵抗値も数種類存在するようです。
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Active Fader と Passive Faderの選択。
オーディオマニアの間で人気のあるneumann w444staやsiemens w291vstdなど、計測機器並の精度と安定した動作のプロ機とは言え、今から半世紀ほど前の電子機器、個体差による音質差は大きいのが現状です。電源やアースの取り方によっても音質は大きく変化します。また、素子劣化による故障というリスクが常に伴います。とはいえ増幅回路を持つアクティブ・フェーダーは大変魅力的です。
一方、電気回路を持たないパッシブ・フェーダーは、物理的損傷が無い限り常に安定した動作を期待できます。機種の違いによる音質キャラクターの変化も如実に現れるため「好みの音質に調整しやすい」というメリットは大きいでしょう。微細な音の再現はこちらの方が優れている印象です。
もちろんこれらプロ機は、バランス接続で設計されているものがほとんどで、インピーダンスも厳格に管理された環境で使用されることが前提になっており、特性などの資料も存在しないものが多数あります。しかしホームオーディオで楽しむためには、あまり神経質になる必要はないのではないでしょうか。
さて、アクティブ・フェーダーとパッシブ・フェーダーの選択。「どちらでもいい」と言うのが結論です。これらビンテージ・プロ機はコンシュマー・ハイエンド・オーディオとは比較出来ない音質だと個人的には感じています。
即ち「どちらもいい」のです。
是非プリアンプを外してフェーダーとパワーアンプのシンプルなオーディオ装置を試して見てください。
おそらく1950〜1960年代のジャーマンコンソールの内部配線材。ライトグレーのケーブルはジャーマン・モジュールの内部で良く使われている芯線0.3〜0.5mmほどの単線シールドケーブル。オレンジ色、綿のケーブルは更に古い時代のものと思われます。WEの単線と似ていますが、こちらも導体の箔を使ったシールドケーブル。さて、どんな音がするのか楽しみです。
この配線の接続方法で気になったことは、各信号ケーブルのシールドがすべて極太のケーブルに繋がっていたという点。信号ケーブル0.5mmに対しシールドが落ちている線材は直径6mmほどの極太線。
各コネクターからのシールドラインは、1mmほどの銅の単線を使って、直径5mmほどの無垢材の銅棒にハンダ付けされ、黒い極太線へと繋がっている。
非売品
下:haufeの出力トランス使用の前期型内部
下:Pikatronの出力トランス使用の前期型内部(haufeに比べて若干音が太い?)
下:後期型内部(前期に比べれば若干シャープな音質?)
Siemens W291VSTD ステレオアクティブフェーダー。入出力にhaufeやPikatronのトランスを使用、+15dbのゲインなどNeumann W444 STAと双璧をなす有名フェーダー。ジーメンスらしい中域が厚い生真面目な音質。内部素子の違いなのか、前期タイプは後期に比べれば若干まろやかな音質、後期タイプは前期に比べれば若干メリハリが効いた音質に感じます。
上:シリアルNo.200番台の最初期型内部 フェーダー部とはコネクタを介さず直配線されている オペアンプOA 12 搭載
上:シリアルNo.400番台の初期型内部 フェーダー部とはコネクタを介す事でメンテナンスが向上している オペアンプOA 12 搭載
上:シリアルNo.3000番台の中期型内部 オペアンプMO6搭載
上:444 STB の内部 トランス入力/電子バランスアウト。出力トランスがない分、回路のスペースも若干小さくなっている。電子バランスアウトとアンバランス機器の接続には注意が必要。
上:シリアルNo.4000番台の後期型フロントパネル ノブが樹脂製に ロック機構も若干構造が違います
Neumannのカッティング、レコーディングコンソール等で使われていた、アクティブ・フェーダー。入出力にhaufeのトランス。+15dbのゲイン。製造時期によってオペアンプや内部部品構成が若干異なる。オーディオマニアの間ではとても有名なフェーダー。初期型の太い中低域に対し、中期型は伸びた高域の美しさが特徴。共にノイマンらしい超高音質で華やかさを感じる音質です。
フロントパネルは、半光沢のブラックや艶消しのブラックの他に、グレーシルバーやアイボリーホワイトなど多数のカラーバリエーションが存在します。フェーダー機構部はsiemens w291同様、ベルリンのダナー社製フェーダーユニット、アンプ部との接続はsiemensのコネクターが使われています。
danner社も古くから業務用フェーダーを製造しているメーカー。ダナーカセット規格、名前の由来はここから来ているのでしょうか?
上:モノラルの W444A オペアンプOA 12 搭載の初期型
上:モノラルの W444A オペアンプMO6搭載の中期型
MAIHAK W66c バランス型モノラル・パッシブフェーダー。構造はエックミラーw68などと似たカーボン皮膜抵抗。MAIHAKは美しいアルミ製のノブやのスライド部に4つのベアリングを使用しているところが構造上の特徴です。
MJ誌の特集「ドイツ業務用フェーダー5種の試聴」の中でも「もっとも力強い」「ボリュームの大小にかかわらず音量感が豊か」と評されたのがこのMAIHAK W66c。エックミラー、EAB、のパッシブフェーダーと同じ環境で比べた場合、MAIHAKが一番音が太く感じます。
バランス型2チャンネルパッシブフェーダー。構造はエックミラーw68などと似たカーボン皮膜抵抗が左右2枚づつ入っています。Eckmiller はアナログ的音の濃さと解像度の高さを、絶妙なバランスで合わせ持つ音質が魅力的です。左右独立のスライドノブも使いやすい。フロントパネルは樹脂製。ルックスも決まっています!
上:モノラルのMR90。こちらの方が若干セパレーションが良い感じがする
上:シリアル300番台の初期型MR90。W68 St と同じ金属製のフロントパネル
上:非常に珍しい4ch仕様のMR90。これ1台に8枚のカーボン皮膜抵抗板が入っている!! マルチ派の方にはいいかも。
EMTのデッドストックケーブル2111を使ったRCA/StereoMiniケーブル。情報がタイトにまとまり音の濃度が増す印象。音楽ソース別や機器の最終音質調整に良く使っています。
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EABのW66a バランス型パッシブモノラルフェーダー。W66より中域が厚く太いサウンド。高域の伸びも損なわれていないので、新しい音楽ソース帯域も再生できます。フロントパネルもW66とは違いフラット。今まで集めた中では、これがベスト・オブ・EABでしょうか。
EABのW66バランス型パッシブモノラルフェーダー。EABは60年代〜70年代にドイツの放送局や録音スタジオで使われていた業務用フェーダー。カーボン皮膜抵抗を使用したものが多く、フェーダーのスライド部に多くのベアリングを使用しているところが構造上の大きな特徴です。音質は太いアナログサウンドを保ちつつもシャープで解像度の高さが印象的。
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